ビッグバン宇宙論 対 定常宇宙論

ビッグバン宇宙論の先駆け

現在、宇宙が膨張しているならば、過去にさかのぼるほど、宇宙は小さくなるはずであると考えたベルギーのカトリック司祭であり天文学者ジョルジュ・ルメートルは、アレクサンドル・フリードマンとは別に膨張宇宙論を主張した。宇宙がごく小さい初期の状態を”宇宙卵”、”原始の原子”などとよんだ。それは1946年にアメリカの物理学者、科学解説者ジョージ・ガモフが「ビッグバン宇宙論」を提唱する先駆けとなった。

素粒子の出現

ビッグバン宇宙論は、極度に凝縮された原初の超高温・超高密度の状態から宇宙が誕生したとするものである。超高温・超高密度の状態から急激に膨張した結果、温度と密度が大幅に低下していくとき、核融合反応によって各種の素粒子がつくられるとするものであった。

永久不変な宇宙

一方、1948年、イギリスのヘルマン・ボンディ、トマス・ゴールド、フレッド・ホイルらが「定常宇宙論」を提唱した。それは宇宙の進化を論じる膨張宇宙論に対して宇宙は永久不変、常に定常状態にあるという説である。宇宙は時間的に永久不変で、膨張によって希薄になった部分を補充する”C場”という考えにより物質が創成され、物質の密度は常に一定に保たれるとするものだった。

宇宙年齢の矛盾

ビッグバン宇宙論は、宇宙誕生時に大爆発を起こした回答を得られなかった。また膨張宇宙論の観測的基礎であるハッブルの法則による、当時ハッブルが求めた定数から18億年という宇宙の過小な年齢が、地球の年齢約46億年よりも短いという矛盾が生じた。

希薄を埋める物質の創造

その点、定常宇宙論では宇宙は常に定常状態であることから、宇宙誕生の瞬間の回答は必要なく、地球の年齢とも矛盾は生じなかった。しかし定常宇宙論では、希薄になった部分から物質が創造されるということが最大の疑問だった。